ビタミンEオイルマッサージの表参道セラ治療院です。

最近は新型コロナウィルスで在宅勤務をしているから、

首や肩が痛くてという患者さんが増えています。

「指で圧してみると、頸と肩の継目の少し背中へ寄った局部が、石のように凝っていた。」

夏目漱石の『門』の一節です。

当時新聞に連載されていたため、この「石のように凝っていた」という表現が使われてから、

肩周辺の痛みを「肩こり」と呼ぶことが一般的になりました。

では、それ以前には肩こりはなかったのかというとそうではありません。

漱石よりずっと以前、江戸時代の医書にも肩こりの症状が書かれています。

海外についても同じことが言えます。

単語ではありませんが、硬くなった肩といったように言いますし、

もちろん肩こりの症状がないわけではありません。

肩こりという表現方法が浸透して以来、日本人と肩こりは切り離せない関係になりました。

日本人の8割以上が肩こりを自覚しているとも言われます。

日本人に肩こりが多い理由の一つに、姿勢の悪さが挙げられます。

立った時に背骨にゆるやかなS字のカーブを維持できる姿勢が理想的ですが、

猫背になっていたり、お腹を突き出したような姿勢が日本人には多く見られます。

骨格や筋肉が華奢にできているうえに、

体重の約8%の重さがある首を支えなくてはいけないため、

首や肩の筋肉に大きな負担をかけているのです。

スマートフォンをのぞき込むために、

首が前に下がり、目や首、肩に痛みを引き起こす「スマホ症候群」も。

現代でもまだ肩こりとの縁は深いようですね。

また、真面目で几帳面、神経質といった日本人が持つ性質も肩こりと関係がありそうです。

ストレスを多く抱えていると交感神経と副交感神経のバランスが乱れます。

在宅していた時間が長かった最近では、コロナ疲れやコロナストレスという言葉を目にします。

こういったストレスフルな生活のなかでは、

自律神経の中の交感神経が優位になり、血管を収縮させるため、筋肉が硬くなってしまうのです。

さらに血流が悪くなることで、痛みを感じる物質が出て痛みが増していきます。

このように私たちと根深い関係にある肩こりを解消するためには、

筋肉を温めて血行を改善しなくてはいけません。

冷房をかけることも増えてきますが、首もとは冷やさないようにしたり、

お風呂に入って首に温かなタオルを当ててください。

PCに向かうときの姿勢を見直したり、時間で区切ってストレッチもいいですね。

ですが、一時的ではなく、この関係を断ち切るためには、あらゆることを省みる必要がありそうです。

軽い運動ももちろんですが、栄養のバランスも見直してみましょう。

血がドロドロでは血流はよくなりません。

筋肉のもとになっているたんぱく質、血行を改善してくれるビタミンBやE、

筋肉を緩めてくれるマグネシウムは摂れていますか?

これを機に自分の体や生活について、もう一度振り返ってみるのもいいですね。