血管の健康
私たちのからだにはたくさんの血管が張り巡らされていて、
温かな血液が心臓から送り出されています。
押し出された血液は動脈、毛細血管、静脈を通って心臓へ。
当たり前のように思っているこの循環こそが、
私たちのからだ全体に栄養や酸素を送り
要らない老廃物を回収してくれる一番の基本となる働きをしてくれています。
血管の太さは、
一番太い大動脈が約3㎝、
細い毛細血管は0.1㎝ほどで髪の毛より細いものです。
この中を血液が移動するのですが、
例えば60㎏の体重の方であれば4~5Lの血液が流れていることになります。
しかしスムーズに血液が流れているとは限りません。
たとえば動脈硬化。
動脈硬化とは、文字通り動脈が硬くなったり、
血管が狭くなって血液がうまく流れなくなることを言います。
高血圧、糖尿病、喫煙などが原因で起こります。
このような血管を救ってくれるのが一酸化窒素(NOエヌオー)です。
一酸化窒素というと、排気ガス等からだに良い印象がありませんが、
実は体内で作られています。
1998年のノーベル賞では、体内での機能について発表されました。
体内の一酸化窒素は、
血管を拡張したり、
血管内で脂肪が固まるのを防いでくれることが分かったのです。
血管に弾力性をもたせ、
若さを保っていることに注目が集まっています。
ですが、30歳を境に一酸化窒素を産み出す機能が低下してしまいます。
それを補っていくためには、バランスのとれた食事と運動が必要です。
一酸化窒素はアミノ酸からできていますので、
タンパク質をしっかり摂ることが大切です。
また、マッサージによっても一酸化窒素を産出することができます。
血流の量が増えることで血管内の細胞を刺激し、
一酸化窒素の分泌を促進するのです。
脚をマッサージすることによって、
血行を促進し一酸化窒素を産出することで健康な血管を保ち、
しかも温かな血液をからだ全体に巡らせることに繋がっていきます。
血栓は、血の固まりのことです。
血管の中では通常血が固まらないようにできていますが、
血流が悪くなったり、血管壁が傷ついたりすると、
血液が固まってしまいます。
血栓は静脈だけではなく動脈や心臓などでも起こりますが、
大半が下肢で起こることが多いのです。
特に高齢者や女性に起こりやすいので注意が必要です。
こまめに水分をとること、
足を動かすことが予防となりますが、
マッサージも非常に有効です。
膝の裏がかなり腫れていたり、ふくらはぎが重く張っていること方が多いのですが、
みなさん自覚がないとおっしゃいます。
ふくらはぎから膝裏、膝裏から太ももまでを一方通行でマッサージしましょう。
どちらも手のひら全体でやさしく行ってみてください。
血栓の予防とともにリラックス効果も高いのでおすすめです。
冷え
私たち哺乳類は恒温動物と言われ、
外環境に関わらず一定の体温を保つ機能を持っています。
35~37℃くらいが平均的な体温ですが、
この平熱を保つために
からだのエネルギーの75%以上を使っているのです。
寒さを感じると蓄えているエネルギー源を燃やし体温を上げ、
暑さを感じると汗をかいたりすることで体温を下げています。
この調整を脳の中で指示を出していますが、
冷え性に陥ると、
神経系がうまく作動しなくなってしまうのです。
環境に左右されない深部体温とは対照的に、
外気温に合わせて変化しているのが、「皮膚温」です。
皮膚温は温度や環境、心理的要因によって変化するのが特徴で、
32~33℃が理想と言われるように深部体温より少し低めです。
その温度は流れている血流の量に比例していて、
血流が多いと皮膚温は高くなり、
少ないと低くなります。
つまり皮膚温が低いということは、
血流が悪く停滞している状況にあるのです。
血流が悪くなっていると、
細胞のはたらきも妨げられ、
皮膚のバリア機能が低下し、
乾燥だけではなく、
クマやくすみの原因になります。
皮膚に栄養分が行き渡らなくなるためターンオーバーも遅れ、
一気に老化することも。
ビタミンEは、毛細血管を広げ血行を良くすると言われます。
脂溶性のビタミンのため皮膚との馴染みがよく、
皮膚から直接吸収し、
皮膚の血行促進や皮膚の温度を上昇させてくれます。
また、血管のなかで酸化を防ぎ、
血管の健康を保ってくれるので、
動脈硬化などの生活習慣病を防いでくれます。
私たちのからだには、
頭の先からつま先まで血管が張り巡らされています。
血管は、心臓に近い太い血管から枝分かれしていき、
全身へと巡っていきます。
細い血管を毛細血管といい、
全身の95%も占めていると言われます。
このように全身にある血管のおかげで、
私たちは全身に栄養や酸素を取り入れたり、
要らない老廃物を体外に出することができるのです。
血行不良になる栄養や酸素が行きわたらず、
体にさまざまな影響が出てしまいます。
酸素が全身に運ばれなくなると、
筋肉が酸欠状態となります。
筋肉に負担がかかることで、
老廃物や疲労が蓄積され、
肩こりや腰痛などの症状が見られるようになります。
からだだけではなく、
肌も血行が悪くなると、
必要な栄養や酸素が不足してしまうので老廃物が溜まったままになります。
ぜひビタミンEをうまく活用して、
血行のよい状態を保っていただきたいと思います。
むくみ
私たちの体には、酸素や栄養素を運ぶ血液があり、
血管がないところは毛細血管から細胞に必要な成分を運んでいます。
細胞へと成分を運ぶ細胞間液は水分や老廃物となって静脈やリンパ管へと流れていきます。
静脈やリンパ管の流れが悪くなってしまうと、
水分や老廃物が回収されずに皮膚の下に溜ってしまうことを「むくみ」と言います。
人間の体の約60%は水分です。
その水分は細胞の中と外に分けられていて、
細胞の外にある水分は血液や細胞の周りにある組織液と呼ばれます。
この組織液が過剰にたまっている状態がむくんでいる状態です。
むくみが起きるときには
病気からくるものかどうかをチェックしておく必要があります。た
とえば、心臓や肺、腎臓、肝臓などの病気によってむくみが起きることがあるので、気になる症状があれば病気由来かどうかを検査しておきましょう。
このほか日常生活でもむくみを感じるという方は意外と多いと思います。
たとえば、塩分の多いものを摂ったとき。
私たちのからだは、塩分の濃度のバランスをとろうとするため、水分を多く取り込もうとします。
血管内の水分量が増えることで、水分が染み出してむくみが起きることになります。
このほかストレスや疲れが多いとき、
睡眠不足でも、むくみは起こりやすくなります。
これは血液を送り出す心臓の働きが低下するためです。
中高年になって脚の筋力が低下した場合にも、むくみが起こりやすくなります。
筋肉が血液を心臓に戻す役割をしているため、
筋力が低下すると血液がうまく戻らなくなり、血液中の水分が停滞してしまいます。
また、血液や体液は、足の筋肉のはたらきで重力に逆らってからだの中心の方へ戻されていますが、
立ち仕事などが続くと、このはたらきが弱くなり、むくみの原因となることがあります。
むくみを解消するには、これらの原因を排除していく必要があります。
塩分を控えたり、カリウムを含んだ食物を摂取する、
また筋力をつけて血液や体液をからだの中心へ戻せるようにすること。
これらと並んでマッサージも効果的です。
ビタミンEには、血行を促進し、血管内の不要なものを流してくれます。
また、尿中の塩分量を増加させ、体内のナトリウムを排出する働きがあります。
からだの下から上へと向かって引きあげていくようにします。
すぐに解消というわけにはいかないと思いますが、
思いのほか楽になったという方やからだの巡りがよくなったという方が多くいらっしゃいます。
生活習慣の改善とともにマッサージも取り入れてみてください。
自律神経失調症
最近、自律神経失調症の方が非常に多くご来院されます。
疲労感やだるさ、不眠、首肩こり、めまい。人によって違いますが、さまざまな組み合わせで症状が見られます。「病院で見てもらったけど、特に機能的な問題はなかった」という点は共通しているようです。
自律神経は、交感神経と副交感神経という2つに分けられます。活発に動かすときに働く交感神経と、休めるときに働く副交感神経とが、互いにバランスを取りながら身体の状態を調節しています。
ですが不規則な生活やストレス、更年期障害などの原因によって、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
バランスが崩れると全身の機能に支障をきたして、身体にさまざまな症状が出ます。また不安感が強くなったり、精神的に不安定になることもあり、パニック障害やうつ病に発展することもあります。
ビタミンEマッサージは、自律神経失調症のさまざまな症状に対応することができます。
オイルで行うオールハンドのマッサージは、タッチングケアでもあるので、手当ての意味を持ちます。辛いところ、痛いところに手を当てることで、精神的な安定にも繋がります。
またビタミンEが自律神経のバランスが崩れることによって起こる、筋肉の硬さやリンパをはじめとする全身の流れの悪さを解消してくれます。ビタミンEが血行を促進し、全身に酸素や栄養を行き渡らせ、反対に老廃物などを流してくれます。
何となくの不調を感じたら、ぜひお試しください。