コラム「芳香療法とアロマ」

芳香療法とは?と検索すると、「アロマテラピーのこと」と書かれています。芳香療 法とアロマテラピーがイコールと言われることに違和感があるのは私だけでしょうか。

 

セラリキッドに精油をブレンドするようになったのは、今からもう 30 年以上前のこと。 まだ世の中にアロマテラピーという言葉は見当たらず、芳香療法と呼ばれていました。 先代である父がフランスで講演をしたときに、精油会社の社長とお話をしたことがきっかけです。父が持ち帰った得体の知れない精油の瓶をよく覚えています。 幼い私には濃縮された精油の香りは刺激が強いとしか思えませんでした。原液の香りの強さは、単にリラックスできるような優しい香りとは言いがたかったのです。植物から摂れる精油は、本当にひとしずく。限りなく奇跡的な一滴です。 

アロマテラピー海外と日本との違い

アロマテラピーは、植物から抽出した香りを心や身体のために使用する自然療法です。 一滴にすべてが凝縮されている精油を用いた療法です。芳香療法と呼ばれたのは、海外で医療として用いることからきているのだと思います。内服する精油があったり、 薬局での取り扱いがあったり、日本とは大きく扱いが違います。日本では、アロマという言葉だけがどんどん大きくなっていき、今となっては違うものに変化したのかも しれません。

芳香療法としてのアロマテラピー

精油は植物から抽出されているので、いつ、どこで育てられたのかによっても香りが変わります。また、一つの香りを構成しているのは、いくつもの成分によるもの。そのため全く同じ香りはほぼ存在しないことになります。この成分一つ一つにも効果効能があって、組み合わされて一つの香りになっています。 例えば、皆さんがよくご存知のラベンダーですが、ラベンダーは、リナリル・アセテ ートやリナロールが多く含まれています。リナリル・アセテートには心身のバランス をとってくれる作用が高く、リナロールには抗菌、抗ウィルス、免疫機能を高める作 用があります。ラベンダーが睡眠障害や皮膚疾患に効果ありと言われるのは、これらの成分によるものです。

 

植物からもらう自然の香りで、心やからだの自然治癒力を上げていく。そんな芳香療法としてのアロマテラピーを根気よく守っていきたいと思います。